鎌大師堂 エヒメアヤメとイヨスミレ


-----  周  辺  の  ご  紹  介 -----

鎌大師堂の裏山 腰折山
  エヒメアヤメ自生南限地
国指定天然記念物
指定 大正14年10月8日
 こかきつばたの名でこのように歌われた腰折山のかれんな花は、「こかきつばた」とは別種の牧野博士が命名した「エヒメアヤメである。」

 「エヒメアヤメ」は、アヤメ科の植物であって、根茎はやや扁平で細くやせ形、葉は線形で薄く葉長は薄く、葉長は10cm〜15cmが普通である。
 陽春4月上旬を開花期とし、数cmの高さの花軸に普通1花を、時に2〜3花を咲かせる。
 花色うすい紫色で外花蓋には黄白色のはん点を持っている。
 元来大陸北部に分布する植物で、わが国では中国、九州、四国の瀬戸内に沿う各地に生育し、古書「たれゆえそう」と名づけたと記録されている。
 腰折山はその南限地として世に知られ、古くからこの花にまつわる哀れな民話とともに、「こかきつばた」の名で親しまれてきた。
    イヨスミレ
市指定天然記念物
指定 昭和57年8月11日
 松山市の栂村甚太郎氏が明治31年4月17日発見、牧野富太郎氏が「イヨスミレ」と命名し発表したものである。ところが、山の樹木繁茂とともにその姿を消し、幻の花といわれてきた。
 しかし、昭和56年の山火事にあい、焼け跡から翌年再びこの「イヨスミレ」を湯山勇氏夫妻が再発見されたのである。
 「イヨスミレ」は中国東北地区から朝鮮半島にわたる北方大陸産の「フィリゲンジスミレ」に近縁の植物である。
 前川先生の言をかりれば、日本の「ゲンジスミレ」は二つの系統がある。
 一つは長野県に産する満州などの大陸系のものと、もう一つは朝鮮
半島系のものがあり、「イヨスミレ」は朝鮮半島系といわれる。
 満州、朝鮮を南下して氷河時代に日本に分布していた「ゲンジスミレ」のうち腰折山に生き残った「イヨスミレ」同じく「エヒメアヤメ」と人家近いこの山に二つも残留植物の存在していることは興味深いことである。